数学 算数

二月の勝者本気モード!~開成中学2020年~

どうもこんにちはしおさいです。

話題になっている中学入試算数の問題から。

この記事を読むと
本気の中学入試問題を垣間見ることができます。
二月の勝者から気になっている方も多いのではないでしょうか。

二月の勝者本気モード編をやるよと予告したはいいものの
解説が難しすぎて挫折しそうになりました。

ちなみに、以前紹介した実際に二月の勝者に出てきた問題はこちら
こちらは非常に標準的で解けてしまった方も多いのではないでしょうか。

https://shiosaibenkyou.com/nigatsunosyousya-sansuu/

今回は伝説になるのでは?と思うこの問題

$\dfrac{1}{9998}$の小数第24, 56, 96位の数字を求めよ

さて解いていきましょうか。

発想

こういう問題に出会ったとき、どう考えるでしょうか?

問題を見たときにまず考えるのは以下の二つです。

問題を考えるポイント

・類題見たことありますか?→ない
・小数を求める公式みたいなものはあるか→しらない

という状況だと思いますのでやることはただ一つ

実験

実際に割って何か規則性とかないかなぁ。
これだけが望みです。

実際に割って確かめてみました。

開成2020実験2

いや結構大変だなこれ

ただ割るだけではいけません。
解き方のヒントになるような発見をしなくてはいけないのです。

いったんここでシンキングタイム

見つかった規則性

今回はこの画像だけを見ていると気が付きにくいですが
実際に割った人は気が付きやすい。

商の部分を見てください。

それを小数点四桁ずつ区切りましょう。

0./0001/0002/0004/0008/0016/...

2を何回もかけていくと次の商四桁分になっています。

しかもこのスラッシュが付いているところの余りは

0.0001のところ→2
0002のところ→4
0004のところ→8
0008のところ→16
0016のところ→32

とこちらも二倍ずつになっています!

これを利用して解いていけばいいのですが
実は最後に落とし穴が待っていますのでご注意を。

最初の問題解説: 小数点第24位

講義

上記の規則性を用いてゆっくり考えていきましょう。

規則性は
・商は四桁の塊で考えられれる
・その四桁は2を何回もかけたもの
・余りはその四つの塊の商をさらに二倍したもの

となっています。

まずは小数第24位求めてみましょう。

商の四塊が6個目です。

商は0./0001/0002/0004/0008/0016/0032/となるので答えは"2"です!

何だ簡単じゃないか。と思われた方。
多分次の問題でひっかけられます。

うまく作ってあるんですこの問題。

二個目の問題解説: 小数点第56位

小数第56位求めてみましょう。

商の四塊が14個目です。

商は0./0001/0002/0004/0008/0016/0032/0064/0128/0256/0512/
1024/2048/4096/8192

なので答えは"2"だと解答を書くと、、実はこれ間違いなんです。

何でかって?

規則性のここ覚えていますか?

・余りはその四つの塊の商をさらに二倍したもの
こいつが現れてきます。
この時の余りは何でしょうか?
この時のあまりはなんと、、8192の二倍の16384です。
これはいけません。なぜなら9998でもう一回割れるからです。
なので1の位は"3"なんです。
さすが2月の勝者。
一筋縄では解かせてもらえませんね。

三個目の問題解説: 小数点第96位

前の問題でわかったかと思うのですが
先ほどの規則性は悲しいことに

"大体の商と余りの規則性見つけといたぜ!
だんだん余り大きくなってきて最終的には調整しないといけないけどその時は任せた

という規則性なのです。

ところで16384を9998で割った次の四桁には何が並ぶでしょうか?

規則性を利用すると16384です。
できればこの下四桁に似た数が並べばいいなぁと思いながら実験です。

16384÷9998=1.6387が立ちます。
つまり57~60桁目は6387です。

予想では6384が並べばうれしかったのです。しかし近い数字です。
差の3はどこからきているのでしょうか?

さっきの規則性は非常にいい加減でしたが
余りが9998よりも大きいことに目をつむれば
必ずこの関係は成り立ちます。

つまり6384を並べたとき、余りはなんと16384の二倍32768なのです。

この3が加わって6387になっているんですね!

図解すると下記のようになります。
開成2020年小数第56位の解説
五桁以上の商になるということは
着目している塊の一個前でもっと割れるぜということを示しているので
五桁以上の商は一塊前の商に足してやらないといけないんですね。
そして下四桁はほぼそのまま残る。
気を付けるべきはその次以降の塊の商を考えないと少しずれるということ。

なので96桁目も同様に考えていきましょう。

96桁目は24塊目なので大体の商は2を23回かけた8388608の下四桁8608で
五桁以上の数字は24塊目より前に影響する数字なのでここでは無視。

25塊目の商は2を24回かけた16777216

こいつをこんな風に足してやれば答えは5!

開成中学2020年小数第96位解説1
...ではないんです。

おそろしや。

26塊目が25塊目に影響しないか調べましょう。

26塊目の商は2を25回かけた33554432

これらを足すと以下のようになります。
開成2020小数第96位解説2

なんと、、小数第97位で繰り上がりが起きるのです、、
恐るべし開成中学校。
これが二月の勝者の本気

なので答えは6です、、

解答を終えて

これが本気を出した中学入試算数の姿です。

見たことない問題を何とか食らいついて発想して解いていく
高度な柔軟性・発想力を求められます。

どうしても中学入試として解くとこんな感じで
ちょっと厳密ではないし
なんだか疑問が残る解き方になってしまうのです。

時間があれば大学生的な説明の仕方も載せたいですが
今日はもうへとへとです、、

少しでも中学入試が本気を出した姿をお伝え出来たのなら光栄です。

それではまた!

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